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執筆者の写真WCF TEAM

THE WAY of Life in Australia (JP)

更新日:2022年7月13日

WOMENCANFLY.COの連載企画「THE WAY」では、毎月海外で暮らす素敵な女性を紹介しています。


今回ご紹介するのは、フラフープでみんなを笑顔にする、シドニー在住のエンターテイナー、Happy Hoopy LifeのShiho Sparkle Hooperさん(以下、Shihoさん)です。フラフープといえば腰でまわすものというイメージがありますが、Shihoさんのステージを見ると「こんなこともできるんだ!」と魅了されること間違いなし。


多くの人を笑顔にし、毎日を楽しんでいるShihoさんですが、かつては自分が大切にしてきたものを失い、人生の意味を深く考え直した時期もあったのだそう。海外でエンターテイメントを仕事にする楽しさや苦労、フラフープの魅力、人生の転機やシドニー生活についてお話を聞きました。



フラフープを踊る写真


7年付き合った彼と別れ、ピースボートで世界一周へ


Shihoさんはアメリカの大学に進学し、大学院卒業までの5年半を海外で過ごしました。その後帰国し、日本企業で新卒として働きます。ところが、最初に入社した企業は忙しく、毎日終電まで働いていたそう。


当時、約7年付き合っていた遠距離恋愛の恋人がいましたが、あまりに多忙で彼との時間をないがしろにし、ある日別れを告げられます。


「大切な人を失って、なんでお金や仕事にしがみついていたんだろうと思いました。同時に、これからは大切なものを犠牲にする人生ではなく、大切な人と好きなことをして過ごす人生にしようと決めたんです」


しかし、仕事に忙殺される日々を過ごしていたShihoさんは、何が好きで何をしたいのか、自分でも分かりませんでした。


そんなとき、友人と行った居酒屋で「世界一周船の旅 99万円」というピースボートのポスターを見つけます。


「この船で、好きなことを見つけてやろうと思いました」


仕事を辞め、一人乗り込んだ船で人生の転機を迎えます。



ピースボートで出会ったフラフープの写真
ピースボートで出会ったフラフープ

衝撃を受けたフラフープとの出会い。一瞬で虜に!


Shihoさんは船上で、ニュージーランド出身の女性、パニアさんがフラフープをまわしているのを見つけました。彼女は首から足先まで全身を使い、音に合わせて踊っていたのです。


「フラフープといえば腰でまわすものだと思っていたので、本当に衝撃的でした。私もやらせてもらったら、すごく楽しくて。言葉にはできないけど、自分の中にスッと入ってきました」


あっという間にフラフープに魅了されたShihoさんは、船にいる間中ずっと、フラフープ漬けの毎日を送ります。当時はフラフープが仕事に繋がるとは思っていませんでしたが、ただやりたい一心で、下船後も続けます。


遂には、シドニーに住むフラフープの先生を紹介してもらい、シドニー行きまでも決めてしまいました。


「自分がやりたいことや好きなことを見つけられる人は、きっと少ないと思います。だからこそ、見つけたときは突っ走らないと。というか、突っ走りたかったんです(笑)」


2011年1月、Shihoさんはフラフープとスーツケース1つを抱え、シドニーへ渡りました。



フラフープの師匠BUNNYと仲間たち
フラフープの師匠BUNNYと仲間たち

海外でエンターテイナーとして生きていく


シドニーに来て最初の1年は、昼間は外資系金融企業や観光業界で働きながら、夕方からフラフープのレッスンを受ける日々を送っていました。


ちょうど仕事の契約期間が満了に近づいた頃、契約を更新するか迷ったShihoさんは、シドニーへ来た目的を果たすため、思い切って退職を決断します。ここから、昼間はストリートパフォーマーとして路上で大道芸を行う生活が始まりました。


「大道芸だと安定した収入が得られる保証はないけれど、不安は全然なくて、ワクワクの方が大きかったです」


エンターテイメントが盛んなシドニーでは、パフォーマーが多く、彼らとの繋がりはとても大切です。最初の頃は、仲間からの紹介から仕事につなげていたのだそう。


大道芸で経験を積んだShihoさんは、現在主に2つの仕事をしています。1つは、法人や地域のイベント、個人のパーティーなどでのフラフープショーやワークショップ。もう1つは、子供たちを対象に小学校で行うフラフープワークショップでのティーチングです。


「フラフープを通してハッピーをお届けする」というモットーのもと、観客が楽しめる演出を考えたりイベントに合わせた衣装を自作したり、技を磨くだけでなく、世界観を作り上げることにもこだわっているのだそう。


同業者である他のパフォーマーからは「十分技術があるんだから、そこまでやらなくても良いんじゃない?」と言われることもありますが、フラフープが大好きなShihoさんにとっては、準備や構想を練る時間さえも楽しいのだとか。


そうして提供されるShihoさんのエンターテイメントは満足度が高く、なんとリピート率は驚異の9割超! 小学校で開催している子供向けのワークショップも大人気カリキュラムのひとつです。



サーカス仲間との写真
サーカス仲間やフープ仲間もたくさんできました

日本人である私の強みと弱み


好きなことを仕事にできたShihoさんですが、全てが順風満帆だったというわけではありません。最初に立ちはだかったのは、自分が外国人であるというどうにもできない壁でした。


「技術は劣っていないのに、ショーのメンバーから外されたことがありました。これは私だけではなくアジア人の多くが経験していることで、ショーとなると、どうしてもスタイルのいい白人が選ばれることが多いんです」


最初はショックでしたが、芸の師匠であるTOYさんから「しほにはしほの良さがある。その持ち味を生かしなさい」とアドバイスを受け、ふっきることができました。



芸の師匠との写真
芸の師匠TOYさん

これまでクール路線だったパフォーマンスから一転、衣装をコスプレ仕様に変更したり、アニメソングを使ったりして子ども向けの演出や日本テーマの演出に切り替えます。すると、仕事が舞い込むようになったのだそう。


「白人のパフォーマーが子供番組のお姉さんみたいに『Hi, Everyone!』と言っても違和感がある。でも、日本人の私が言うとしっくりくるし、子どもたちの反応が良いんですよね。きゃりーぱみゅぱみゅさんを参考にすることもあって、いろんなところからインスピレーションを得ています」


26歳でフラフープを始めたShihoさんは、もっと若い頃から始めた他のパフォーマーと比べると、技術面で及ばないことも多いのだそう。しかし、圧倒的な練習量と創意工夫でそれをカバーしています。


「音楽と合うまでダンスを練習したり、レッスンに通ったりすることは、私にとっては当たり前のこと。けれど、その当たり前に頑張れる力は大きな強みなんだと思います」


また、チャイニーズニューイヤーのようなアジア系のイベントでは、アジア人であるShihoさんが呼ばれることが多く、改めて強みと弱みは表裏一体なのだと感じたそう。


日本人であることは、Shihoさんにとって弱みであり、最大の武器でもあったのです。



シドニーで開催される日本のお祭りの写真
日本がテーマのお祭りでは、日本の世界観を演出!

なぜシドニーでパフォーマンスを続けるか


シドニーでは、ありのままの自分でいられるというShihoさん。日本だと思わずまわりの顔色を伺ってしまいますが、シドニーではどんな格好で何をしようと、周囲はお構いなしです。


「日本だと、衣装を着ていたら悪目立ちしてしまう気がするけれど、シドニーでは話しかけてくれることがよくあります。私はシドニーが大好きです」


シドニーでは、大道芸だけでなく、エンターテイメントショーも至る所で開催されています。Shihoさんもさまざまな会場でパフォーマンスを行っており、この夏にはツアーも行う予定でした。


しかし、コロナの影響でイベントは全て白紙に。一時は、フラフープはもうできないかもしれないと思ったのだそう。


「コロナで予定がなくなりましたが、休みができたからこそ新しいことにチャレンジしようと思い、YouTubeチャンネルを開設しました」


世界中のパフォーマー仲間に声をかけて、動画を撮影したことも。新しい発信の形を見つけることができました。


今はまだコロナの影響でイベントやショーは完全に復活できていませんが、また臨場感あふれる生のショーをお届けできる日が待ち遠しいのだとか。


「オーストラリアの観客は、ダイレクトに反応してくれます。良いパフォーマンスができたとき、私と見てくださっているお客さんと音楽がコネクトするんです。その瞬間を味わってしまうと、他のことでは満足できなくなってしまう。そのために頑張っているんだと思います」



ファイヤーショーの写真
圧巻のファイヤーショーは大盛り上がり!

私が目指すエンターテイメント


実は、コロナ以前にも、右手の怪我がきっかけでフラフープを辞めようかと真剣に考えたことがありました。女性は男性に比べてパフォーマー寿命が短いとされるうえに、怪我をすれば途端に仕事ができなくなる可能性があるため、セカンドキャリアならぬサードキャリアを考えるようになったのです。


しかし、たまたまパフォーマー仲間と訪れたイギリスの田舎町で、小さな女の子と出会ったことで、Shihoさんの中に再び情熱が灯ります。


「小さな女の子にフラフープを教えたら、その日から毎日練習してくれました。彼女にあげた風船も、萎んでしまうまで大切にしてくれていたようで、やっぱり私は人を喜ばせたいんだと実感しました」


怪我をしたら別のパフォーマンスを考えたら良いし、コロナならYouTubeなど形を変えてエンターテイメントを届けたら良い。やり方は1つではないと感じたと同時に、何をやるにしても「人を喜ばせたい」という軸を再確認したのです。



南極でのワークショップの写真
南極でワークショップをした時。場所を問わず、世界中の人を笑顔に!

Shihoさんは、世界一周旅行もイギリス訪問も、しかるべきタイミングで訪れた転機だったと言います。


「転機って誰にでもくると思うんです。それを逃さないよう、とにかく動かないといけない。もし私が動いていなかったら、不幸になったことを失恋した彼のせいにしていたかもしれません。でも今は、幸せになったのは彼のおかげだと思えます。マイナスはいくらでもプラスに変えられるから、嫌なことがあっても自分で転機にしてしまうことが大切です」


目指すエンターテイメントのあり方を再確認し、ますますパワーアップしたShihoさん。何より、Shihoさん自身が誰よりも楽しんでいるからこそ、見ているこちらもハッピーになれます。


Shihoさんはフラフープに出会ったことで、熱中できるものを見つけ、人を笑顔にする喜びを知り人の優しさを感じました。


海外でエンターテイナーとして生きていくことは簡単なことではありませんが、それを実現したShihoさんを見ていると、本当に好きなことに出会ったら突き進もうと、背中を押してもらえる気がします。



Shiho Sparkle Hooper / Happy Hoopy Life

YouTube チャンネルはこちら


世界中のフラフーパーとコラボした動画などを配信中。




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Women can fly.


Much love, xxx

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